ペットとのお別れは突然やってくるもの。今までたくさんの思い出をつくってきた家族だからこそ、現実を受け入れるのはとても苦しいものです。しかし、このようなときでも飼い主はペットのために、最後までしてあげられることがあります。「今までありがとう」。そんな気持ちを込めて、安置や葬儀をすすめていきます。
ここでは、大切なペットとお別れするために必要なことを順に説明していきます。亡くなったらまずは何をするの?どのようにお別れをするの?このような疑問にお答えします。
わたしたちにとってペットはどんな存在?
近年のペットブームには、目を見張るものがあります。かつてペットといえば犬、という印象があったかもしれません。しかし最近では、猫ブームを筆頭にさまざまなペットを飼う方が増えてきました。
ペットは単に「飼うもの」ではありません。一緒に暮らしていくうちに、家族同然の愛情を感じる存在になります。ペットは家族と同じという考えから、一緒に旅行に行くなどいつでも離れずにそばにいたい…という方も多いのではないでしょうか?このような考えの広まりもあり、人間が亡くなったときと同じように、ペット葬儀を選択される方も増えてきているのです。
ペットが亡くなったらまずしてあげること
大切なペットも、命には限りがあるもの。家族同様の存在なので受け入れがたいことですが、飼い主として最後にしてあげられることを確認しておきましょう。亡くなったらまずしてあげること。それは、安置をすることです。
安置の方法と安置できる期間
ペットが亡くなってしまったら、まずは楽な姿勢をとらせて、ペットが苦しい思いをしないように配慮してあげましょう。するべきことを順にあげていきます。
ペットの種類にかかわらず、動物は亡くなると死後硬直が始まります。死後、2時間ほどでご遺体が硬直してしまうといわれているので、それまでに姿勢を整えることが大切です。目や口を閉じさせて、手足を曲げて寝ているような姿勢にしてあげます。
硬直した身体の緊張がほどけてくると、体液が口やおしりからでてくることがあります。ペットが不快な思いをしないように、体液を見つけ次第、濡れたタオルなどでふき取るようにしましょう。
まずは、固く絞ったタオルなどを使ってペットの身体を清めます。水分や体液が残らないように、しっかりときれいにしてあげることが大切です。清め終わったら、お棺にペットを安置します。安置の際には、身体の腐敗を防ぐために、保冷剤で頭やお腹を冷やす、夏場であれば部屋の温度を下げるなどの対応をおこないます。
安置できる期間は、ペットの大きさや季節などにもよりますが、1日~4日間といわれています。身体を冷やすときに、保冷剤ではなくドライアイスを使うことで、さらに長く安置をすることも可能です。
棺桶の作り方
亡くなったペットがすこしでも快適に過ごすことができるよう、飼い主が棺桶を手作りすることもできます。用意するものは、ペットが入る大きさの段ボールや木箱などです。
棺桶を準備できたら、その中の環境を整えていきます。まずは棺桶の底に、新聞紙などを複数枚敷きます。その上に保冷剤やドライアイスを敷き、最後に新聞紙を再度敷きます。そうすると、保冷剤を新聞紙で挟みこむような構造になります。最後に敷く新聞紙は、ペットシーツやバスタオルでも代用できます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
ペットとお別れする方法はおもに3つ
自宅で埋葬する
火葬するのが嫌だ、近くにいてほしい…。このような思いから、自宅に埋葬する方もいます。この際は、注意点がいくつかあります。埋葬場所は必ず自宅の庭か所有地にすること、埋葬するための穴は1メートル以上の深さにすることです。いずれも、近隣トラブルや他の動物による荒らしを避けるために必要です。
自治体に引取をお願いする
地域によっては、亡くなったペットの引き取りを自治体が受け付けている場合があります。検討されている方は、一度問い合わせてもいいかもしれません。ただし、引き取り後のペットの取扱い方法は自治体によってさまざまです。ペット用の火葬をおこなってくれる場合もあれば、残念ながら可燃ごみとして扱われてしまうこともあります。引き取りの可否とともに火葬方法などの詳細も確認しておくことをおすすめします。
ペット葬儀を執り行う
これはペット葬儀業者によっておこなうものです。業者によって異なりますが、さまざまなサービスを受けられるというのが魅力です。飼い主の希望に沿って火葬や葬儀ができるので、ペットとの最期を納得した形で考えることができます。今やペット葬儀業者は、数多く存在します。それぞれの業者のサービス内容や料金などを比較しながら、依頼する業者を決めていきましょう。
ペット葬儀業者による火葬方法とお別れのタイミング
業者によるペット葬儀の流れととともに、火葬方法を紹介していきます。
火葬の方法
火葬の方法は、おもに3つあります。
- 合同で火葬する方法
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ご自身のペットだけでなく、ほかの方のお家で飼われていたペットも一緒に火葬をします。そのため、火葬後にお骨は共同墓地などに納骨することになります。一人で旅立たせるのはかわいそう…とお思いの飼い主が選択することも多いようです。
- 個別で火葬する方法
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ご自身のペットのみを火葬することになるので、お骨を返してもらうことも可能になります。業者によっては、火葬に立ち会うこともできるため、最後まで見守りたいという方が選ぶこともあります。
- 自宅で火葬する方法
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移動火葬車を手配することによって、自宅の敷地内などで火葬をすることができます。お家でお別れをしたいという方は、自宅での火葬を検討するのもいいかもしれません。
お別れのタイミング
合同で火葬をする場合は、業者が自宅にペットを迎えにくることが多いです。そのため、業者に受け渡す際に、お別れをむかえることになります。業者が迎えに来るまで、できるだけ寄り添ってあげてください。
個別の火葬や自宅火葬をする場合は、火葬車を使うことになります。火葬されるそのときが、お別れのタイミングです。立ち会う場合や返骨を依頼する場合は、また会えるような気がしてしまうのも、とてもよくわかります。しかし、生前の姿で会うことは火葬する直前までになってしまいます。お別れはとても悲しく辛いものです。火葬方法によってお別れをするタイミングが多少変わることを認識しておきましょう。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
ペット火葬が済んだあとの供養方法
人間の場合は、宗教などによって供養方法が変わりますが、ペットに関しては、供養方法が厳しく決まっている…というわけではありません。飼い主がペットのためにできることを考えて実行すること。これがペット供養です。
具体的には、お墓を立ててあげたり、仏壇をつくる、写真を飾ってお供えをするなどがあります。これ以外にも、最近では手元供養を選択する方も増えてきているといいます。遺骨を入れた骨壺を自宅で管理したり、粉状にした遺骨をいれたアクセサリーを身につけるという方もいらっしゃいます。
このようにペット供養の方法はさまざまあります。大切なことは、飼い主がペットのためを思っておこなうということ、またそれによって飼い主の気持ちが少しでも楽になることです。正解はありませんので、これだと思う供養を行いましょう。
ペット葬儀が終わったら自治体での手続きも忘れずに
ペットが亡くなったという悲しい状況ではありますが、必ずしなくてはいけない手続きがあります。それが、自治体や役所に提出する死亡届です。
死亡届は、ペットの死後30日以内に届け出るよう決められています。ペットを登録している市町村の役場で手続きを行うことを忘れないようにしましょう。役所に向かうときには、犬鑑札、狂犬病予防注射済票を持参します。
死亡届の申請書に関しては、事前にHPなどからダウンロードできる場合があるので、あらかじめ自宅で書いて持参することもできます。また、ペットの登録番号も必要になるので、控えるなどしておくといいでしょう。ペットの種類によっては死亡届が必要ないこともあります。一度お住まいの自治体に問い合わせて確認することをおすすめします。
ペットを見送ったあと、飼い主の気持ちが少しでも穏やかになるように…
ペットを亡くした飼い主の悲しみは計り知れません。ペットの死は家族の死をも同然。心に穴がぽっかりと開いたような気持ちになってしまう方も少なくないのです。しかし、ペットはこのような飼い主を心配していることと思います。ここでは、辛い状況にある飼い主の気持ちが少しでも楽になれるよう、3つの情報を紹介していきます。
亡くなったペットはどこに旅立つ?
亡くなったペットはどこに行ってしまったのだろう、いま何をしているのだろう…。このような気持ちが飼い主の心の中に溢れているかもしれません。ペットは、人間と同じ命をもっています。亡くなってしまったあとは成仏し、天国に行くといわれています。快適な天国でペットが楽しく暮らしている、そこから飼い主のことをしっかりと見守っていてくれる。そう思うと少し、気持ちが晴れるような気がします。
ペットロスを予防するためにできること
ペットロスは、広がるペットブームとともに問題になってきました。ペットロスという状況に陥ると、抑うつの状態になったり、罪悪感がつきまとったりするようになります。このような状況を防ぐためにも、ため込んだ気持ちはどんどん吐き出していくことが大切です。
ときには気の済むまで思いっきり泣く、ペットと暮らしていたときの習慣を少し変えてみる、ペットに対する気持ちを手紙につづってみるといった行動で、心が落ち着くこともあります。また、同じような経験をされた方と話してみるのも効果的といわれています。
愛犬のために慶弔休暇を取れる場合も
ペットのために、慶弔休暇をとる。これは現実的ではないと言われていることですが、ペットは家族であるという考え方の広まりによって、ペットが亡くなったときに休暇をとることができる制度を導入する企業が増えているのも事実です。お勤めの会社でこのような制度が導入されていれば、活用して気持ちを落ち着けることも大切です。
まとめ
大切なペットとの別れは、想像以上に辛いものです。しかし、そんなときでもペットのために飼い主がしてあげなくてはいけないことはあります。最後までペットが安らかな気持ちでいられるように、適切な安置や対応で、ペットのためにできることをしてあげるのが大切です。
ペットとお別れする方法はさまざまですが、最近では、ペット葬儀を選ばれる方も増えています。
最善な選択はなにか、業者と相談しながら決めていくのも方法の一つです。「最後にこうすればよかった…」という後悔は、飼い主のその後に影響してしまうこともあります。ペット、飼い主双方にとってベストな選択を考えていきましょう。