近年、ペットは大事な家族の一員と考えられています。ペット専門の葬儀社なども全国に増えており、大事なペットを火葬して供養するのは一般的な考えとなりつつあります。
火葬をしたあとは骨壺に入れて帰ってきますが、その大事な遺骨を入れる骨壺にはサイズやデザインもたくさんあるのをご存知でしたか?骨壺は大好きだったペットの遺骨を入れるものですから、こだわりたいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、壺のサイズやデザイン選びといった準備から保管方法まで、ペットの骨壺に関するさまざまな情報をご紹介します。
ペットの骨壺はいつ用意するもの?
「生前に準備をしておくのは、なんとなく不謹慎だし気が引ける……」と、ペットの骨壺をどのタイミングで用意すべきなのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
実際ペットが亡くなってしまってからだと、深い悲しみや火葬の準備などに追われて思い通りの骨壺を準備できないこともしばしばです。
ペット霊園やペット葬儀会社などでは、依頼をすれば用意してくれる場合もあります。しかし自分でデザインを選びたい、骨壺にはこだわりたいという方は、あらかじめ骨壺を用意しておくとよいでしょう。
しっかりと事前に準備がしてあれば、いざそのときが来てもペットの最後を安心して見届けることができるでしょう。
ペットの骨壺選びはサイズが重要です
実際に骨壺を選ぶ上で、一番重要になってくるのが「サイズ選び」です。「骨壺のサイズって1つしかないんじゃないの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。実はペットの大きさによって、骨壺のサイズも違ってくるのです。
ペットの骨壺のサイズは「寸」で表す
ペットの骨壺のサイズは昔ながらの尺貫法の「寸」で表します。1寸はおよそ3cmですので、「6寸」の骨壺だと直径が約18㎝の大きさということになります。
骨壺のサイズはおもに「2寸」~「7寸」まであり、この中から自分のペットのサイズに合ったものを選ぶことになります。
ペットの大きさに合わせたサイズの目安
ペットのサイズはさまざまです。ペットごとに適した骨壺のサイズはどのようになっているのでしょうか。あくまでも目安ですが、一覧にしてみましたのでご覧ください。
- 小鳥やハムスターくらいのサイズ
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小鳥やハムスターなどの小動物は、一番小さいサイズの「2寸」の骨壺が適しています。遺骨の量に対して大きすぎると感じるかもしれませんが、名前を入れたり写真を貼ったりすることを考えれば、このサイズでもそう大きくはありません。
- 子猫くらいのサイズ
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子猫やうさぎ、フェレットほどのサイズとなると一番小さい2寸の骨壺では小さい場合があります。その場合「3寸」の骨壺がおすすめです。1㎏程度のペットならば、3寸がいいでしょう。
- 成猫や小型犬くらいのサイズ
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大人の猫やチワワやミニチュアダックスなどの小型犬サイズであれば「4寸」の骨壺がおすすめです。標準サイズより大きめのペットであれば、ひとつ大きいサイズの5寸がいいかもしれません。4寸の骨壺の目安は3㎏~5㎏です。
- 中型犬くらいのサイズ
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柴犬やコーギーなど中型犬くらいのサイズになると「5寸」の骨壺がおすすめです。5寸の骨壺となるとサイズも大きいので、骨壺を置く場所を決めてから購入するといいでしょう。大きい骨壺を保管するために、木製のペット用仏壇を用意する方もいます。
- 大型犬くらいのサイズ
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ゴールデンレトリーバーやシェパード、ハスキーなどの大型犬になると「6寸」、もしくは「7寸」の骨壺がおすすめです。
あまりにも大きいサイズのペットになると、粉骨や分骨をしなければ骨壺に納められない場合があるかもしれません。その場合は、骨壺の購入先や火葬業者に相談するといいでしょう。
このように、ペットの大きさにより適したサイズの骨壺を選ぶことができます。飼い主であるあなたが納得できる骨壺を選ぶのが一番です。骨壺の購入先や火葬業者に相談しながら、家族でペットにピッタリの骨壺を見つけてください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
ペットの骨壺を選ぶポイントは他にも
ペットの骨壺を選ぶポイントは、骨壺のサイズだけではありません。骨壺の形や色、デザインのレパートリーはとても多く、さまざまな骨壺から理想のものを選ぶことができます。
値段も安価なものから高価なものまでさまざまです。中には、ペットの写真を骨壺に印刷してくれるなど、飼い主にとってうれしいサービスもあります。
材質も陶器のほかに、ステンレスやプラスチックでできている骨壺もありますので、いろいろな骨壺を見比べてから決めてみてはいかがでしょうか。
ペットの骨壺が間に合わなかった場合の代用品
ペットが急に亡くなった場合や、骨壺の用意が間に合わなかった場合などは、火葬業者などが用意してくれる骨壺を使うという方も多いと思います。
それでも、ペットのイメージに合った骨壺を用意したい、骨壺にはこだわりたいと考えている方は、代用品を使用してみてはいかがでしょうか。
代わりになる入れ物の選びかた
少し抵抗があるかもしれませんが、一旦身近にある容器に保管をしておいて、骨壺が用意できたらそちらに遺骨を移すという方法でも特に問題はありません。その際、紙の容器よりは金属などでできた容器に入れることをおすすめします。
遺骨を入れ替える方法
遺骨を代用品から用意した骨壺に入れ替える際は、大きなシートや新聞紙を用意してその上に遺骨を取りだし、丁寧に骨壺に移すようにします。
遺骨の入れ替えをするときは、手袋をして作業するようにしましょう。素手で遺骨に触れてしまうとカビが発生してしまう原因になりますので、必ず手袋をして作業してください。
雑に扱ってしまうと、遺骨が割れてしまうので丁寧におこないましょう。また、骨に傷をつけることがないように、注意しながら遺骨を移動させましょう。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます。
ペットの骨壺は自宅に保管しても大丈夫?
骨壺というと、人間ではお墓に納めるのが普通なので、ペットの遺骨を自宅で保管してても大丈夫なのかな?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
中には四十九日や節目のときにペットのお墓に納めたり散骨する人もいますが、離れるのが辛いなど、長く自宅で保管したいと思う方も多いものです。
そんなときはぜひペットを自宅にいさせてあげてください。ペットがお気に入りにしていた場所やリビングに置いて供養してあげましょう。寂しい部屋の片隅ではなく、家族が集まるとことならばペットもきっと喜びます。
大きい骨壺になって場所に困ってしまう場合は仏壇を用意するか、ペットの遺骨を粉骨、分骨することで小さい骨壺に入れ替えるという方法もあります。最適な方法でペットを供養してあげてください。
ペットの骨壺はときにカビが生えることも……
ペットの遺骨が長時間保管されている骨壺には、カビが生えてしまう場合があります。これは夏場や梅雨など湿度の高い時期に、骨壺のわずかな隙間から中の骨にも水分が付着してカビが生えてしまうのです。
大切にしていたペットの遺骨にカビが生えていたらとても悲しいですよね。どうすれば、遺骨のカビを防ぐことができるのでしょうか。
骨壺の正しい保管方法
カビを防ぐには、骨壺の正しい保管方法を知ることが大切です。まず、骨壺は風当たりのよい場所に置くようにしましょう。そして、カビ対策として吸湿剤(乾燥剤)とテープを用意します。
骨壺内にこもった湿気を吸湿してもらうために、遺骨の下に吸湿剤を敷くようにします。なぜ遺骨の下なのかというと、湿気が下のほうに溜まる性質があるからです。遺骨の下に置くのが難しい場合はフタの裏も有効です。
また、テープは骨壺のすき間を埋めるために使用します。フタを閉じたときに、フタと容器が触れる部分にテープを巻き付けます。テープがパッキンの代わりになることで密封することで湿気を防ぎ、カビを予防します。
カビが生えてしまったら……
もしすでにカビが生えてしまっている場合、まずは「天日干し」をしましょう。火葬されている遺骨はもろく崩れやすいため、安易に拭いてしまうと遺骨の破損の原因になります。よく晴れた日にブルーシートなどの上に遺骨を広げ、数時間天日干ししましょう。
カビは日光に弱いため、わずかなカビならば日光消毒が効果的です。カビが生えていなくても定期的に天日干しするとカビ予防につながります。
ペットの火葬業者に、再火葬をしてもらうという方法もあります。頑固に寝ずいてしまったカビなどは、天日干しだけではなかなかなくなりません。そのような場合は、遺骨を再火葬してカビを焼き飛ばすのがおすすめです。
カビ除去のための再火葬を請け負っている業者もありますので、一度相談してみてみるといいでしょう。
まとめ
ペットの死は突然訪れることも多く、あまりにも急なことでどうしたらいいかわからず、何も用意できないという場合もあるでしょう。そういうときは、ペットの葬儀をしてくれる業者に依頼するのもひとつの手です。
葬儀会社では葬儀を進めてくれるだけでなく、骨壺を用意してくれる場合もありますので、安心して任せることができます。また、生前にあらかじめ葬儀について相談しておくのもよいでしょう。
大切なペットに感謝の気持ちをこめて、安心して送り出すためにも、葬儀や骨壺について考えてみてはいかがでしょうか。